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「麻衣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

麻衣の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
仇討三態」より 著者:菊池寛
僧たちも加わった。皆は思い思いの作務衣を着て、裏山へ分け入った。ぼろぼろになった麻衣を着ているものもいた。袖のない綿衣を着ている者もあった。雲水たちの顔が変って....
愛卿伝」より 著者:田中貢太郎
一日三秋 君何ぞ帰らざる 記す尊姑老病 親ら薬餌を供す 塋を高くして埋葬し 親ら麻衣を曳く 夜は燈花を卜し 晨に喜鵲を占う 雨梨花を打って昼扉を掩う 誰か知道ら....
私たちの建設」より 著者:宮本百合子
いたものらしい。ところが、このお菊がどんな生活をしていたかといえば、冬でも僅かに麻衣を重ねていたに過ぎないということが、竹越与三郎氏の日本経済史の中に一つの插話....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
あります、御存じでしょうけれど。」 「いいえ。」 「それはね、月見の人に、木曾の麻衣まくり手したる坊さん、というのが、話をする趣向になっているんですがね。(更科....
松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
作を喩して居りますと、其の内に足音がしますから、山三郎は格子の透から見ると、先へ麻衣を着た坊主が一人に、紺看板に真鍮巻の木刀を差した仲間体の男が、四尺四方もある....
白木蓮」より 著者:豊島与志雄
ら、彼女の明るい顔は白皙とも言えるほどに澄んでくる。それから、剣を鍛える槌の音と麻衣を打つ砧の音と交錯するあたり、彼女の撥音は鮮かに冴えてくる。――そのように私....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
仕方がない。清新と自主と自由とが縫い目縫い目に現われている。野性に圧された重たい麻衣の上に少しばかりの柔靭さが加わったとすれば、あの不思議な縫糸と自然な運針とを....
三国志」より 著者:吉川英治
柱を立て彩華をめぐらし、牛馬を屠って雨龍や天神を祭り、于吉は沐浴して壇に坐った。麻衣を着がえるとき、于吉はそっと、自分を信じている吏にささやいた。 「わしの天命....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
には麻の工作が一般に、播種の時からすでに女の労働であったことを意味するとともに、麻衣という所から推測してまだこの以外に、別に何らかの衣服原料が存在していたという....