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「黄熟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

黄熟の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
はどこでも註文がなくて、代りに一つ二つの直しものを受取ったきりであった。 外は黄熟《おうじゅく》した八月の暑熱が、じりじり大地に滲透《しみとお》るようであった....
田舎教師」より 著者:田山花袋
、職員一統学校に集まって大々的祝宴会を開こうと決議した。 六月にはいると、麦は黄熟して刈り取られ、胡瓜の茎短きに花をもち、水草のあるところには螢が闇を縫って飛....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
。梨は一つずつ丁寧に二重の薄紙に包まれていたが、その紙をめくってみるとなかからは黄熟した肌の滑っこい、みずみずしい大粒の実が現われた。 梨好きな私は、早速その....
札幌まで」より 著者:寺田寅彦
来たような気がした。 〇時半の急行で札幌に向かう。北緯四十一度を越えても稲田の黄熟しているのに驚く。大沼公園はなるほど日本ばなれのした景色である。鉄骨ペンキ塗....
植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
めでたいことこの上もなく、許嫁の御夫婦万歳である。そのうちに右の実がいよいよ軟く黄熟し烈臭を帯びて地に落ち、葉もまた鮮やかな黄金色を呈して早くも結婚の終了を告げ....
院展日本画所感」より 著者:和辻哲郎
――そういうものが日本画に望めるかどうか、それをかつて自分は問題にした。川端氏は黄熟せる麦畑の写実によってそれの可能を実証してくれた。昨年の『慈悲光礼讃』に比べ....