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「黄花〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

黄花の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
梓川の上流」より 著者:小島烏水
に、一羽のオツネン蝶が来た、水の上を右に左にひらりと舞う、水はうす紫の菫色、蝶は黄花の菫色、重弁の菫が一つに合したかとおもうと、蝶は水を切ってついと飛ぶ、水は遠....
思い出す事など」より 著者:夏目漱石
しい自然の画が、子供の時と同じように、余を支配していたのである。 秋露下南※。黄花粲照顔。 欲行沿澗遠。 却得与雲還。 二十五 子供が来たから見てやれと妻....
四条畷の戦」より 著者:菊池寛
る菊池氏も亦、五百年間勤王|一途の忠勤をつくした家柄で、山陽をして「翠楠必ずしも黄花に勝らず」と云わしめたが、活躍の舞台が、近畿でないから、楠公父子の赫々たる事....
槍ヶ岳第三回登山」より 著者:小島烏水
て、その根元の頸を巻いている。雪の下からは蒼黯い偃松が、杉菜ほどに小さく見えて、黄花石楠花は、白花石楠花に交って、その間にちらほらしている、一団の霧が槍へ吹っ懸....
白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
、それよりも嬉しかったのは、駿河湾に黒煙をかすかに一筋二筋残して走っている汽船!黄花石楠花が、岩角の間に小さくしがみついて咲いている、その間を踏んで、登れば、千....
谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
たして烟のように、水沫のように、迷いはじめる、峠が高くなるだけ、白いシシウドや、黄花のハリフキが簇がって、白い幕の中で黄色い火を燈したように、うすぼんやりしてい....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
しました。 山は平原を擁して駅路長し 即今、行旅、糧《かて》を齎《もたら》さず黄花|籬《まがき》に落つ丹楓寺《たんふうじ》 尽《すべ》て是れ、当年の血戦場――....
恒藤恭氏」より 著者:芥川竜之介
ざるもの多し。即ち改造社の嘱に応じ、立ちどころにこの文を作る。時に大正壬戌の年、黄花未だ発せざる重陽なり。....
植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
姿その色まことに眼に爽かであるばかりではなく、さらに大きな花穂を葉間に直立させて黄花を総状花序に綴るの状また大いに観るに足り、塀上の風趣|転《うた》た掬すべきも....
植物知識」より 著者:牧野富太郎
せんししょく》の美花《びか》が咲くが、栽培品には二重咲《ふたえざ》き花、白花、淡黄花《たんおうか》、絞《しぼ》り花、大形花、小形花、奇形花がある。そしてその蕾《....
穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
岳もよく見える、もうここに来ると偃松は小くなって、処々にその力なき枝椏を横たえ、黄花駒の爪は独笑顔を擡げている、東南方数町に峰「信濃、前穂高岳、並木氏」二つ、高....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
野川を辷ってゆく。 その底には、もう若鮎がチラチラ光っているだろう。南国らしい黄花の畑、変化に富んだ両岸の風景もかくべつだが、何よりはその大河の、砂と水のきれ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
九州豪族中での重鎮だった。 頼山陽は、その詠史の詩のうちに言って、 翠楠未必勝黄花 と、うたったが、菊池の一族一門中、初めから終りまで、宮方へ味方して、終始....
釜沢行」より 著者:木暮理太郎
えて、仰ぐ梢からは露が零ちて来る。崖(麹岩の名がある)からのり出した日蔭つつじの黄花が、薄暗い木蔭にほんのりと暖い色を浮べる。深山酸漿草の美しく咲きこぼれた草原....