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「黄葉の〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

黄葉のの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
武蔵野」より 著者:国木田独歩
煙地を這《は》い月光林に砕く」 同十九日――「天晴れ、風清く、露冷やかなり。満目黄葉の中緑樹を雑《まじ》ゆ。小鳥|梢《こずえ》に囀《てん》ず。一路人影なし。独り....
新生」より 著者:島崎藤村
鐘の音は樹木の多い町はずれの空を通して、静な煙の立登る赤瓦の屋根の間へも伝わり、黄葉の萎《しお》れ落ちた畠《はたけ》へも伝わって来た。バビロン新道の宿でもその日....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
翁の居間である。硝子窓から形ばかり埒を結った自然のまゝの小庭や甘藍畑を見越して、黄葉のウエンシリ山をつい鼻のさき見る。小机一つ火の気の少ない箱火鉢一つ。床には小....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
あるかも知れぬと云っている。)萩の黄葉は極めて鮮かに美しいものだから、その美しい黄葉の中に入り浸って衣を薫染せしめる気持だとも解釈し得るのである。つまり実際に摺....
ワンダ・ブック――少年・少女のために――」より 著者:ホーソーンナサニエル
に蔭を落すどころか、本当にそこをぱっと明るくしていた。曇った日でさえ、その明るい黄葉のところは、日の光が照り残っているように見えたであろう。そしてまた、川の床《....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
られていると思いました。 今日セルとメリンス襦袢がつきました。庭の青桐や紅葉が黄葉の最中で中々きれいです。去年の秋はこんなにゆっくり秋色をながめる心のいとまが....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
ると、たちまち倒れて塵になる。そういう陰惨な夢と、その夢から覚めて見る窓外の紅葉黄葉の疎林と美しく昇る朝暾とは、対照の妙を得て効果的である。 第四章 準備 そ....
智恵子の半生」より 著者:高村光太郎
せた。十月一日に一山|挙って島々へ下りた。徳本峠の山ふところを埋めていた桂の木の黄葉の立派さは忘れ難い。彼女もよくそれを思い出して語った。 それ以来私の両親は....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
て昼なおさむざむとした思いをいだく。豪州の南の秋景色はともあれいとおしむに足り、黄葉のなかばする庭には菊のひとむらがある。) 九日、曇り。晴雨定まらず。市中を....
雷門以北」より 著者:久保田万太郎
る。これは今度の震災にも幸と無事に焼残った。今ごろは丹塗の堂の前にも明るい銀杏の黄葉の中に相変らず鳩が何十羽も大まわりに輪を描いていることであろう。第二に僕の思....