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黄金
「黄金〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
黄金の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カルメン」より 著者:芥川竜之介
それを飲んじゃ。」
僕はT君に注意した。薄い光のさしたグラスの中にはまだ小さい
黄金虫《こがねむし》が一匹、仰向《あおむ》けになってもがいていた。T君は白葡萄酒....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
をかけながら、執拗《しゅうね》い夜に攻められて、心細い光を放っている。と、小さな
黄金虫《こがねむし》が一匹ぶうんと音を立てて、飛んで来て、その光の輪にはいったか....
「鼻」より 著者:芥川竜之介
まして見ると、寺内の銀杏《いちょう》や橡《とち》が一晩の中に葉を落したので、庭は
黄金《きん》を敷いたように明るい。塔の屋根には霜が下りているせいであろう。まだう....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
去年この「さん・ふらんしすこ」の御寺《みてら》へ、おん母「まりや」の爪を収めた、
黄金《おうごん》の舎利塔《しゃりとう》を献じているのも、やはり甚内と云う信徒だっ....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
、渦を巻いて肩の上まで垂れ下った髪の毛と申し、頸《くび》にかけた十文字の怪しげな
黄金《こがね》の護符《ごふ》と申し、元より世の常の法師《ほうし》ではございますま....
「桃太郎」より 著者:芥川竜之介
一度花を開き、一万年に一度実をつけていた。花は真紅《しんく》の衣蓋《きぬがさ》に
黄金《おうごん》の流蘇《ふさ》を垂らしたようである。実は――実もまた大きいのはい....
「尼提」より 著者:芥川竜之介
んしょうじゃ》を造るために祇陀童子《ぎだどうじ》の園苑《えんえん》を買った時には
黄金《おうごん》を地に布《し》いたと言うことだけである。尼提《にだい》はこう言う....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
件である。さもなければ我我はとうの昔に礼譲に富んだ紳士になり、世界も亦とうの昔に
黄金時代の平和を現出したであろう。
瑣事
人生を幸福にする為には、日....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
。のみならず翁は蒐集家《しゅうしゅうか》です。しかし家蔵の墨妙の中《うち》でも、
黄金《おうごん》二十|鎰《いつ》に換えたという、李営丘《りえいきゅう》の山陰泛雪....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
ありとファウストの二行《にぎょう》を感じた。――「一切の理論は灰色だが、緑なのは
黄金《こがね》なす生活の樹《き》だ!」
彼は悪魔に別れた後《のち》、校舎の中へ....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
彼は、「東方」にさえ、その足跡を止めている。大名と呼ばれた封建時代の貴族たちが、
黄金の十字架《くるす》を胸に懸けて、パアテル・ノステルを口にした日本を、――貴族....
「三つの宝」より 著者:芥川竜之介
の縁もついている。それからその長靴の代りには、この宝石のはいった靴をやろう。この
黄金細工の剣をやれば、その剣をくれても損はあるまい。どうだ、この値段では? 第二....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
前の影が地に映ったら、その頭に当る所を夜中に掘って見るが好い。きっと車に一ぱいの
黄金が埋まっている筈だから」 「ほんとうですか」 杜子春は驚いて、伏せていた眼....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
り機にかけるようになっているものもある。さらに先へ進むと、玉蜀黍の大きな畠には、
黄金色の実が葉のような包みからそとをのぞいていて、菓子やプディングがたくさんでき....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
すと、広い平原になって、そこから城下の方まで、十里四方の水田がひろがって、田には
黄金の稲が一杯に実っていました。 「伊作の足あ、なんて早いんだべい!」 と多助は....