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黄金色
「黄金色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
黄金色の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
目がしらを熱くうるおして来た。薄手《うすで》のコップに泡《あわ》を立てて盛られた
黄金色《こがねいろ》の酒は葉子の手の中で細かいさざ波を立てた。葉子はそれを気取《....
「星座」より 著者:有島武郎
渡瀬は教えに行った旨《むね》を答えて、ちょうど顔のところまで持ち上げて湯気の立つ
黄金色を眺めていた、その猪口《ちょこ》に口をつけた。
「おぬいさんって可愛いい方....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
れは由々しき一大事だ。なにしろ「市長の鍵」というのは、T市にたった一個あるだけの
黄金色眩ゆい大事な鍵で、歴代の市長は、後任者へ事務引継ぎの際、親しく手から手へ譲....
「海底都市」より 著者:海野十三
んぽ》の前だった。白と緑の人造大理石《じんぞうだいりせき》を貼《は》りめぐらし、
黄金色《こがねいろ》まばゆきパイプを窓わくや手すりに使ってあった。 「ほう、なか....
「恐竜島」より 著者:海野十三
なる。 二人の水夫フランソアとラルサンも、モレロをこのように昂奮させた岩の上の
黄金色まばゆき何物かを見つけてしまった。二人はむきだしに思っただけのことをさっき....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
七十|袋。量目約百万両。閻浮檀金十斤也。緞子、縮緬、綾、錦、牡丹、芍薬、菊の花、
黄金色の董、銀覆輪の、月草、露草。 侍女一 もしもし、唯今のそれは、あの、残らず....
「時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
に入ったばかりであったが、その切り取った腹腔のところから、なにやら異様に燦然たる
黄金色のものが光ってみえるではないか。それを見た瞬間、秘書は蟒が腹の中に金の入れ....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
え不気味だからといって、ちっとも怪しいものではないと、銑さんはいうけれど、あの、
黄金色の目、黄な顔、這うように歩行いた工合。ああ、思い出しても悚然とする。 夫....
「燕と王子」より 著者:有島武郎
南に帰るひまがありません。日中は秋とは申しながらさすがに日がぽかぽかとうららかで
黄金色の光が赤いかわらや黄になった木の葉を照らしてあたたかなものですから、燕は王....
「醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
それは田舎の夏のいいお天気の日の事でした。もう
黄金色になった小麦や、まだ青い燕麦や、牧場に積み上げられた乾草堆など、みんなきれ....
「故郷」より 著者:井上紅梅
たしの頭の中に一つの神さびた画面が閃き出した。深藍色の大空にかかる月はまんまろの
黄金色であった。下は海辺の砂地に作られた西瓜畑で、果てしもなき碧緑の中に十一二歳....
「鴨の喜劇」より 著者:井上紅梅
人は皆|睡っていたので、天下は至極安静であった。彼は独り自分の臥榻の上に凭れて、
黄金色の長髪の間にはなはだ高い眉がしらをやや皺めて、旧游の地ビルマ、ビルマの夏の....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
はは、礼を聞かっせえ、待ってるだに。」 横に落した紫の傘には、あの紫苑に来る、
黄金色の昆虫の翼の如き、煌々した日の光が射込んで、草に輝くばかりに見える。 そ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
り機にかけるようになっているものもある。さらに先へ進むと、玉蜀黍の大きな畠には、
黄金色の実が葉のような包みからそとをのぞいていて、菓子やプディングがたくさんでき....
「米」より 著者:犬田卯
。 明け放れの早い六月の空には何時か太陽が昇って、沼向うの平野はひときわ明るく
黄金色に輝き出していた。風もなく、紺碧の沼は崇厳なほど静かだった。やがて浩平一家....