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「黄銅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

黄銅の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
の収穫で満足していられなくなったので人間は耕作の術を発明した。 世は三度めぐりて黄銅のときとなりぬ。 心荒々しく武器を取る手もいと疾く、 されどなお無慚の心はな....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
絶したものに違いなかった。しかし、その中央で王座のように蟠って君臨しているのが、黄銅製の台座の柱身にはオスマン風の檣楼、羽目には海人獣が象嵌されていて、その上に....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
の本居家からは銅製の鈴。浜松の賀茂家からは四寸九分無銘|白鞘の短刀。荷田家からは黄銅製の円鏡。それに平田家からは水晶の玉、紫の糸で輪につないだ古い瑠璃玉。まだこ....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
がドン/\と遙に響いて来る。 帰宅したのが六時過ぎ。正面に見て眩しくない大きな黄銅色の日輪が、今しも橋場の杉木立に沈みかけた所である。 本当に日が永い。 ....
土鼠と落盤」より 著者:黒島伝治
。鉱脈は五百米附近から、急に右の方へはゞが広くなって来た。坑壁いっぱいに質のいゝ黄銅鉱がキラ/\光って見える。彼は、鉱脈の拡大しているのに従って、坑道を喇叭状に....
鐘に釁る」より 著者:寺田寅彦
されるのを防止し、鐘の振動を完全にすることができるであろうと想像されうる。しかし黄銅の場合にこの種の単分子皮膜が固体面に沿うて自由に伸展し、吸着した湿気やガスを....
無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
の船は、みんな、銅のうすい板で底をつつむことになったのだ。今日では、銅のほかに、黄銅でもつつんでいる。 銅の板には、虫があなをあけない。そして、やはり海藻や貝....
紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
を言うと、グレプニツキーをはじめ、島の頂きにある鉱脈に惑わされたのじゃ。あれは、黄銅といって、色は黄金に似ているとはいえ、価格に至っては振り向くものもない、その....
銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
毀ち、なおいまだ修せられず」 「何んの木の橋ぞ?」 「否々これ樹板にあらず、左は黄銅、右は鉄板」 「誰かこれを造れるものぞ?」 「朱開、及び朱光の徒」 「二板橋....
南極の怪事」より 著者:押川春浪
へと走りしが、炎々と閃めく火光にふとこの巨船の船尾を見れば、そこには古色蒼然たる黄銅をもって、左の数字を記されたり。 『瑠璃岸国の巨船』 『オオ、何等の怪事ぞ!....
皇海山紀行」より 著者:木暮理太郎
った。皇海山の絶頂三角点の位置から少し東に下ると、高さ約七尺幅五、六寸と思われる黄銅製らしき剣が建ててあって、南面の中央に庚申二柱大神と朱で大書し、其下に「奉納....
巷の声」より 著者:永井荷風
明治四十一年頃ロシヤのパンパンが耳新しく聞かれた時分、豆腐屋はまだ喇叭を吹かず黄銅製の振鐘を振鳴していたように、わたくしは記憶している。煙管羅宇竹のすげ替をす....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
曲窮まりない。縦横に走る電車はその街々を縫うように走っている。) 山海抱、人亦白黄銅鉄交。 (山と海が市街をかこみ、凹凸は多く、その風光はえがくがごとく吟詠に足....
百姓の夢」より 著者:小川未明
こんな牛に、いくらおまえさんが金をつけたって喜んで交換するものはあるめえ。」と、黄銅のきせるをくわえて、すぱすぱたばこをすいながら、さげすむようにいった博労もあ....
世間師」より 著者:小栗風葉
さ二寸ぐらいの管にして、先を細く窄めて、元口へ木の栓をする。その栓から糸のような黄銅の針線が管の突先までさしこんであって、管へ墨汁を入れて字なり何なり書くと、そ....