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黒八丈
「黒八丈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
黒八丈の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「硝子戸の中」より 著者:夏目漱石
帰って、そこに敷いてある布団《ふとん》の上に横になった。病後の私は季節に不相当な
黒八丈《くろはちじょう》の襟《えり》のかかった銘仙《めいせん》のどてらを着ていた....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
更紗《おにざらさ》の座蒲団《ざぶとん》の上に坐っている。襯衣《シャツ》を嫌った、
黒八丈《くろはちじょう》の襦袢《じゅばん》の襟《えり》が崩《くず》れて、素肌に、....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
衣摺《きぬずれ》の音がするような気がした。二階には今まで須永の羽織っていたらしい
黒八丈《くろはちじょう》の襟《えり》の掛ったどてらが脱ぎ捨ててあるだけで、ほかに....
「明暗」より 著者:夏目漱石
き》いていないかも知れないけども」
津田は煙《けむ》に巻かれたような顔をして、
黒八丈《くろはちじょう》の襟《えり》のかかった荒い竪縞《たてじま》の褞袍《どてら....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、裄短な袖を投げた風采は、丈高く痩せぎすな肌に粋である。しかも上品に衣紋正しく、
黒八丈の襟を合わせて、色の浅黒い、鼻筋の通った、目に恐ろしく威のある、品のある、....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
のが一|尾、蛇ですよ。畝々と巻込めてあった、そいつが、のッそり、」と慌しい懐手、
黒八丈を襲ねた襟から、拇指を出して、ぎっくり、と蝮を拵えて、肩をぶるぶると遣って....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
で袖口は細い、ゆきも長く紋は細輪、そうして襦袢は五分長のこと、下着は白糸まじりの
黒八丈、中着は新形の小紋類、そうして下駄は黒塗りの足駄、大小は極上の鮫鞘で、柄に....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
にもある。 新しい手拭いを吉原かぶりにし、松坂木綿の縞の着物を尻はしょりにし、
黒八丈の襟のかかった白唐桟の半纒。帯は小倉の小幅《こはば》。木綿の股引をキッチリ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
向うの寝台の上に胸を開けて仰向けになっている。若先生光起は、結城の袷に博多の帯、
黒八丈の襟を襲ねて少し裄短に着た、上には糸織|藍微塵の羽織|平打の胸紐、上靴は引....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
をきちんと分けた風俗、その辺の若い者。双子の着物に白ッぽい唐桟の半纏、博多の帯、
黒八丈の前垂、白綾子に菊唐草浮織の手巾を頸に巻いたが、向風に少々鼻下を赤うして、....