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黒曜石
「黒曜石〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
黒曜石の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「槍が岳に登った記」より 著者:芥川竜之介
くに、菱《ひし》の花びらの半ばをとがったほうを上にしておいたような、貝塚から出る
黒曜石の鏃《やじり》のような形をしたのが槍《やり》が岳《たけ》で、その左と右に歯....
「銀河鉄道の夜」より 著者:宮沢賢治
なんだかその地図をどこかで見たようにおもいました。 「この地図はどこで買ったの。
黒曜石でできてるねえ。」 ジョバンニが云いました。 「銀河ステーションで、もら....
「鳥」より 著者:横光利一
つめい》に這入《はい》って刺《さ》され出《だ》したのだが、Aは突然《とつぜん》、
黒曜石《こくようせき》の結晶母液《けっしょうぼえき》となるべき硅酸《けいさん》の....
「白髪小僧」より 著者:杉山萠円
二人の間に生れ出た、たった一人の大男。 金剛石の骨組に、肉と爪とは大理石。
黒曜石の髪の毛に、肌は水晶血は紅玉《ルビー》。 岩角ばかりで敷き詰めた、広い曠....
「二重心臓」より 著者:夢野久作
ホ……」 彼女はスッカリ昂奮しているらしかった。白磁色の頬を火のように燃やし、
黒曜石色の瞳を異妖な情熱に輝やかしつつ、彼女の方からウネウネと身体を乗出して来た....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
た、あとから跟いて来る嘉代吉の足音が、ひたひたするだけで、谷の夜空は、猫眼石から
黒曜石に変化した、焼岳の願人坊主のような頭が、夜目にも、それと見えたので、心おぼ....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
を守護《まも》るようにして、空を摩すような大森林が、錆びた鉄のような頑丈な幹と、
黒曜石のような黒い葉とで、周囲をグルリと取り巻いているのは、まさしく偉観と云って....
「怪奇人造島」より 著者:寺島柾史
水のように澄んでいる。その星の光が、水晶のような氷の肌に、微かに映えて、あたかも
黒曜石のように美しかった。 海は、はろばろと涯しもなく、濃紫色にひろがっていて....
「銀河鉄道の夜」より 著者:宮沢賢治
その地図をどこかで見たようにおもいました。 「この地図《ちず》はどこで買ったの。
黒曜石《こくようせき》でできてるねえ」 ジョバンニが言《い》いました。 「銀河....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
血管が青く透いて見える手、せわしく呼吸に喘いでいる落ちくぼんだ胸、愛と、聡明とで
黒曜石の如く輝いていた眼は、死に濁されて、どんよりと、細く白眼を見開いているだけ....
「昭和遊撃隊」より 著者:平田晋策
。 「ね、あたし怖いわ。この水門、どこまでつづいているんでしょう。」 つぶらな
黒曜石のような眼で、奥の方をすかして見たが、黒々とした崖が、艦の行手をさえぎるよ....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
いうのは、粗《あら》い毛織りの服を着たタヌの胸が優しげな溜息をもらし、洞窟の奥の
黒曜石のような眼玉が、あらぬ虚空《こくう》をみつめ、何やら深い物想いに耽っている....
「台川」より 著者:宮沢賢治
鮮《しんせん》だ。 そしてそうだ、向うの崖《がけ》の黒いのはあれだ、明らかにあの
黒曜石《こくようせき》の dyke だ。ここからこんなにはっきり見えるとは思わな....