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「黒木〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

黒木の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
路上」より 著者:芥川竜之介
ぐち》に近い、目録《カタログ》の函《はこ》の並んでいる所へ、小倉《こくら》の袴に黒木綿《くろもめん》の紋附《もんつき》をひっかけた、背の低い角帽が一人、無精《ぶ....
俊寛」より 著者:芥川竜之介
、一々泣いては泣き尽せぬほど、悲しい事が沢山あるぞ。」 御主人は後《うしろ》の黒木《くろき》の柱に、ゆっくり背中を御寄せになってから、寂しそうに御微笑なさいま....
忠義」より 著者:芥川竜之介
つ》が供をして、まず、大広間へ通った。が、やがて、大便を催したので、今度は御坊主黒木|閑斎《かんさい》をつれて、湯呑み所際《じょぎわ》の厠《かわや》へはいって、....
富士」より 著者:岡本かの子
《な》るものの肥えて豊なさまは部屋の中を見廻しただけでも翁にはすぐそれと知れた。黒木の柱、梁、また壁板の美事さ、結んでいる葛蔓の逞しさ、簀子《すのこ》の竹材の肉....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
男ふたりが無提灯でずっと這入って来て、だしぬけに主人に逢わせろと云った。かれらは黒木綿の羽織に小倉の袴をはいて、長い刀をさしていた。この頃はやる押借りと見たので....
脳の中の麗人」より 著者:海野十三
川氏にも、また病院内の誰彼にも話してない秘密なんだから、そのつもりでいるように」黒木博士と看護婦長との会話にあらわれた問題の患者|宮川宇多郎氏は、わが身の上にこ....
星女郎」より 著者:泉鏡花
炉の灰も薄蒼う、茶を煮る火の色の※と冴えて、埃は見えぬが、休息所の古畳。まちなし黒木綿の腰袴で、畏った膝に、両の腕の毛だらけなのを、ぬい、と突いた、賤しからざる....
真夏の夢」より 著者:有島武郎
んでした。おまけにここには、子どもたちがうっかりすると取ってしかられる、毒のある黒木いちごがはえていました。むすめは情けなさそうにそれを見ました。まだこの子は毒....
平造とお鶴」より 著者:岡本綺堂
本でございましたが、元年の四月に江戸を脱走して奥州へまいりました。その時に用人の黒木百助と、若党の村田平造も一緒に付いてまいりましたが、連合いの喜十郎と用人の百....
書記官」より 著者:川上眉山
緑竹の中に入りて、はるかなる岡の前にあらわれぬ。流れに渡したる掛橋は、小柴の上に黒木を連ねて、おぼつかなげに藤蔓をからみつけたり。橋を渡れば山を切り開きて、わざ....
藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
は、日増に水量を加えて、軽い藍色の水が、処々の川瀬にせかれて、淙々の響を揚げた。黒木を売る大原女の暢びやかな声までが春らしい心を唆った。江戸へ下る西国大名の行列....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
に、ぼったら焼の荷に廂を掛けたほどな屋台を置いて、おお! ここに居る。太神楽が、黒木綿の五紋の着流しで鳥打帽を被った男と、久留米絣にセルの袴を裾長に穿流した男と....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
して、廊下で子守唄などを歌いながらあやしているのをしばしば見た。お梅さんは、冬は黒木綿、夏は中形の浴衣の揃いを着ていた。 雨天の日には観客の下駄を洗ってくれる....
二階から」より 著者:岡本綺堂
、前垂で口を拭いて、逃げるように狐鼠狐鼠と出て行った。 講武所風の髷に結って、黒木綿の紋附、小倉の馬乗袴、朱鞘の大小の長いのをぶっ込んで、朴歯の高い下駄をがら....
古事記」より 著者:太安万侶
でになつて、出雲の大神を拜み終つて還り上つておいでになる時に、肥《ひ》の河の中に黒木の橋を作り、假の御殿を造つてお迎えしました。ここに出雲の臣の祖先のキヒサツミ....