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「黒猫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

黒猫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浅草公園」より 著者:芥川竜之介
メリヤス類。毛糸の編みものも交《まじ》っていないことはない。行火の裾《すそ》には黒猫が一匹時々前足を嘗《な》めている。 43 行火の裾....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
姿が見えねえ。ねえ、おかしいじゃありませんか。それから提灯の火でよく見ると大きい黒猫が一匹……。胴っ腹を突きぬかれて死んでいるので……」 「黒猫が……。槍に突か....
三角形の恐怖」より 著者:海野十三
方に配達された夕刊には「カッフェで大往生」と題して「細田弓之助(33)が喫茶店『黒猫』で頓死したが、原因は病み上りの身で余り激しく駈け出した為、心臓|麻痺を起し....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
形の扉が開きっぱなしとなり、黄色い室内の照明が、戸外にまで流れていました。それが黒猫の瞳ででもあるかのように気味のわるい明るさを持っていました。 一同は雪崩を....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
このごろ、一冊十五円の本はきわめて安し。 ◯新春以来の執筆原稿次のとおり。 “黒猫”に「予報省」二十七枚 “自警”に「地獄の使者」第二回分二十五枚 “少年....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
けて唄うので、頸を抽いた転軫に掛る手つきは、鬼が角を弾くと言わば厳めしい、むしろ黒猫が居て顔を洗うというのに適する。 ――なから舞いたりしに、御輿の岳、愛宕山の....
」より 著者:池谷信三郎
在意識となって潜んでいて、それがまだあどけない私の瞳の底に、無意識的に、暗の中の黒猫の眼のように光っているんだ、ってそう言うのよ。私が何かにつけて、物事を僻んで....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
たいという心から掲載することにしたのである。 アラン・ポーの作品――殊にかの「黒猫」のごときは、当然ここに編入すべきであったが、この全集には別にポーの傑作集が....
猫の草紙」より 著者:楠山正雄
向かって攻めていきました。 猫の方も、「そら来た。」というなり、三毛猫、虎猫、黒猫、白猫、ぶち猫、きじ猫、どろぼう猫やのら猫まで、これも一門残らず牙をとぎそろ....
兎と猫」より 著者:井上紅梅
いもの》を横取りするくらいだから一向差支えありませんが、憎らしいのは、あの大きな黒猫ですよ。いつも低い垣根の上で執念深く見詰めています。これは用心しなければなら....
白髪鬼」より 著者:岡本綺堂
か。」 「言いました。」と、わたしは思い切って答えました。「ゆうべの鰻を食って、黒猫が死んだとかいうことを……。」 「猫の死んだのは本当ですけれど……。伊佐子は....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
言った。が私の目を惹いたのはその瞬間横のビロードのカーテンの蔭から出て来て、その黒猫を抱いて一寸洋服の裾をつまんで観客にしなをして引っ込んだ洋服の少女であった。....
画室談義」より 著者:上村松園
いることを、私は最近になって知った。 私の家の外塀を乗り越えて、三毛猫、白猫、黒猫、実にいろいろ近所の猫たちが入れかわり立ちかわりやって来ては、そのまま黙って....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
共に、一匹の黒い猫が飛び出して来て、彼の足もとにおとなしくうずくまった。彼はその黒猫の襟首を引っ掴んで、片手で懐剣の鞘を払ったかと思ううちに、短い剣は猫の喉笛に....
黒猫十三」より 著者:大倉燁子
粗末な卓子と椅子が二三脚あるばかりだ。その一つの椅子の上に天鵞絨のような毛をした黒猫が丸くなって眠っていた。二人の足音に眼を覚まし、ひょいと首を擡げたが、見知ら....