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黒皮
「黒皮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
黒皮の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「爬虫館事件」より 著者:海野十三
はないかと探し求めた。 「鴨田さんの鞄ですか、これは」と帆村は棚の上に載っている
黒皮の書類鞄を指した。 「そうです、私のです」 「随分大きいですね」 「私達は動....
「無惨」より 著者:黒岩涙香
間田は誇り裂けるほどに顔を拡げて「先ア見たまえ此髪の毛を」と云いながら首に掛たる
黒皮の懐中蟇口より長さ一尺強も有る唯一本の髪の毛を取出し窓の硝子に透し見て「コレ....
「あめんちあ」より 著者:富ノ沢麟太郎
おのの》かせた。一言の返答も出来なかった。しかし彼はついに一両日の猶予を請うて、
黒皮カバンを抱えたその男を帰した。 その夜、彼は何処に入口があるのか解らない宿....
「心の河」より 著者:宮本百合子
だね。また行けばいいが……然し」 彼は、今までさよに見えなかった一つの紙包みを
黒皮のポートフォリオのかげから出した。 「こういうものがあるんだが……」 それ....
「鏡餅」より 著者:宮本百合子
くことのない留置場の窓に向って目を凝《こら》していると、下の内庭へピカピカ光った
黒皮のゲートルを巻いた背の高い交通巡査が、裏の通用門の方から入って来た。 股を....
「道標」より 著者:宮本百合子
ないあれというのは何だろう。伸子はそう思って、泰造が背広の背中をこちらに向けて、
黒皮のボストン・バッグをあけるのを見守っていた。泰造は、銀色っぽい錦のきれで包ま....
「無題(七)」より 著者:宮本百合子
て始めて凹《へっこ》んですき間の出来た股を 湯のなかで自分は愛撫した。 壁際の
黒皮ばり長椅子に二十歳のターニャが脚をひろげてかけて居る。白い上被りの中で彼女は....
「形」より 著者:菊池寛
の端武者を、突き伏せて、またゆうゆうと味方の陣へ引き返した。 その日に限って、
黒皮|縅の冑を着て、南蛮鉄の兜をかぶっていた中村新兵衛は、会心の微笑を含みながら....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
言った、「私は千五百フランいただきたいんです。」
男は脇《わき》のポケットから
黒皮の古い紙入れを出し、それを開き、紙幣を三枚引き出して、テーブルの上に置いた。....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
るものに、シロビイタヤ(白皮イタヤ)、アカビイタヤ(赤皮イタヤ)、クロビイタヤ(
黒皮イタヤ)の三つがあるが、これはみな Acer mono Maxim. 中の品....
「植物知識」より 著者:牧野富太郎
ハミズハナミズ(葉見ず花見ず)の名がある。鱗茎《りんけい》は球形《きゅうけい》で
黒皮《こくひ》これを包み、中は白色で層々《そうそう》と相重《あいかさ》なっている....
「鮪を食う話」より 著者:北大路魯山人
挙げた以外にも、まぐろ類には値段の安い白色肉のめかじき(切り身用)、同じく白肉の
黒皮、この
黒皮まぐろは肉太で、八、九十貫もあって値も安い。また、白皮まぐろ、これ....
「夜寒に火を囲んで懐しい雑炊」より 著者:北大路魯山人
、たいのような赤色皮の魚がよい。青黒色の魚はなんであっても感心しない。しかし、青
黒皮のはもは例外の佳肴である。要するに、焼き魚という条件を中心にして工夫すべきで....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
ない。」 「寝たまえ。今から病気だと大変だよ。お、いい薬がある。」 私は立って
黒皮のケースを取り出して来る。 「独逸製の薬品だがね。バイエルアスピリンというん....