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黒茶
「黒茶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
黒茶の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
格の持主としか思えない。それが黒い髪毛をテカテカと二つに分けて、贅沢なものらしい
黒茶色の毛皮の外套を着て、その間から揺らめく白金色の逞ましい時計の鎖の前に、細長....
「支那米の袋」より 著者:夢野久作
傷で赤ぶくれになっていて、針金の痕が蛇みたいにビクビクと這いまわっている上から、
黒茶色の油膏薬がベトベトダラダラ塗りまわしてあるじゃないの。その汚ならしくて気味....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
よりゃ些度計り甘めえ汁を嘗めているらしいや。暑さにもめげずにぴんぴんしたものだ。
黒茶にレモン一片入れて飲め無えじゃ、人間って名は附けられ無えかも知れ無えや。 ....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
」 「よしッ、これを読んでみい」 先生は一冊の本を千三の前へ投げだした。それは
黒茶色の表紙の着いた日本とじであった。標箋に大学と書いてある。 「これをですか」....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
。わたしのこわした窓ガラスにはまだ小さな紙がはりつけてあった。それがすすと年代で
黒茶けていた。 ふとわたしは白いボンネットを見つけた。門はきりきりと開いた。 ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
「藤次、笠を買え、笠を」 色街の近くまで来ると、若先生と呼ばれている背のたかい
黒茶の衣服に三つおだまきの紋を着けている吉岡清十郎が、連中を顧みていった。 「笠....
「大谷刑部」より 著者:吉川英治
、不手前だが、こよいは近侍を遠ざけておるから、渇きしのぎに」 と、差し出した。
黒茶碗の中に、緑いろの泡があざやかに浮いている。刑部は、その茶のかおりを嗅ぐと、....
「はつ恋」より 著者:神西清
、母は新しい隣人から、灰色の紙にしたためた手紙を受取っていた。しかもそれを封じた
黒茶色の封蝋ときたら、郵便局の通知状か安葡萄酒の栓にしか使わないような代物だった....