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黒表
「黒表〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
黒表の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
ない、と言って強請《ねだ》った、新撰物理書《しんせんぶつりしょ》という四冊ものの
黒表紙。これがなければ学校へ通《かよ》われぬと言うのではない。科目は教師が黒板《....
「鬼涙村」より 著者:牧野信一
そして、その間で自分だけが何か親切な人物であるという態度を示したがった。彼も例の
黒表の一名だが、おそらくその原因は、その「親切ごかし」なる渾名《あだな》に依った....
「道標」より 著者:宮本百合子
だけの特色があると云えたろう。
伸子は、あれこれを考えながら、デスクに向って
黒表紙の帳面に、ゆうべ観て来た「風呂」のプログラムと切符とを、はりつけていた。パ....
「女給」より 著者:細井和喜蔵
柴田登恵子――といって置く。彼女が社会運動の為め
黒表《ブラックリスト》にのって就職口にも事欠くようになった処へ、かてて加えて持病....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
ごわ》い事件がないせいか、どうも腸の工合がよろしくない。 ばたんと机に音がして
黒表紙の帳簿《ちょうぼ》が課長の前に置かれた。「事件|引継簿《ひきつぎぼ》第七十....
「暗号の役割」より 著者:海野十三
。 袋探偵は呻っている……がそのとき彼は声をあげた。 「あ、これかな」探偵は白
黒表の最後のところのンを指す。第百字目のンだ。「四角の枠の隅っこにンの字があるの....
「地球要塞」より 著者:海野十三
佐は、びっくりしたような声を出した。 「御存知でしたか、その女を……。さだめし、
黒表《ブラックリスト》にのっている豪の者なんでしょうね」 と、私がいえば、大佐....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
た。
往来を人波はうねっていたが、店へ立ち寄る者はなかった。で売卜者は鼻の先を
黒表紙の易書であおぎながら――すなわち塵埃を払いながら、無心に人波を眺めていた。....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
あっ、それにしてはいやに重いや」 袱紗をといてみると、ハンド・バッグどころか、
黒表紙の古ぼけたノートが五冊、それもうんと分厚なのが出てきた。 「なんだ、これゃ....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
何もかももう晩いのよ。私はもうフランスには居られ無いの。国事女探としてフランスの
黒表に載って仕舞ったのよ。私送還されるのよ、西班牙へ。そして国元の西班牙へ返され....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
いる武門たちを、いちど博多に呼びあつめ、その真意を確かめておこうとした。――彼の
黒表にのぼっていたおもなる大族は菊池、阿蘇、少弐、大友の四家だった。 その召集....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ていた。 「ははあ、つまり三軍の“後ろ目付”でございますな。二た股者くさい大将は
黒表に上げて、鎌倉へご内報におよぶわけでございまするか。なるほど、なるほど」 「....