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「黒頭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

黒頭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
を呼べ、蜈蚣衆を!」 隣室に詰めていた蜈蚣衆、その頭領の琢磨小次郎が、黒小袖に黒頭巾、黒の鼻緒の草鞋を穿き、黒の伊賀|袴に黒|手甲、眼だけ頭巾の隙から出し、膝....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
本、四本。 六本、八本。 いずれも短槍でした。 もも立ち取って、すはだしの黒頭巾、しかも侮りがたい構えなのです。 無言のままぴたりとその八本が八方から穂....
千鳥」より 著者:鈴木三重吉
口へ転がしたまま、黒燻りの竈の前に踞んで煙草を喫んでいる。破れた唐紙の陰には、大黒頭巾を着た爺さんが、火鉢を抱えこんで、人形のように坐っている。真っ白い長い顎髯....
金属人間」より 著者:海野十三
いのだ。これがきみにわからんのか」 怪しい客は、いらいらしてきたらしく、大きな黒頭巾《くろずきん》の奥で、しきりに小さな顔をふりたてている。そのとき蜂矢は、怪....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
月光の射さない一所に、じっとこっちを見詰めながら、スラリと立っている人影である。黒頭巾で顔を隠している。黒の振り袖を纒っている。裾が朦朧と暈《ぼ》けている。裾模....
くろがね天狗」より 著者:海野十三
丞が五ヶ年の山籠りを懸けて作り上げた秘作機械だった。――南蛮鉄の胴体に、黒装束に黒頭巾を蔽った機械人間がコトリコトリと音を立てて出て来た。 「さあ、出発だ!」 ....
小春の狐」より 著者:泉鏡花
、われと慰むように、太い杖に片手づきしては、腰を休め休め近づいたのを、見ると、大黒頭巾に似た、饅頭形の黄なる帽子を頂き、袖なしの羽織を、ほかりと着込んで、腰に毛....
絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
まうのです。またそれにつれて、支柱の銀色も黄ばんでしまうので、恰度その形が大きな黒頭の笄に似て来て、しかも、それがニョキリと突っ立っているようでは御座いませんか....
染吉の朱盆」より 著者:国枝史郎
と鍔音。空には満月、地には霜。 切り仆したのは一人の武士、黒の紋付、着流し姿、黒頭巾で顔を包んでいる。お誂え通りの辻切仕立、懐中手をして反身になり、人なんかァ....
前記天満焼」より 著者:国枝史郎
った恥び音だ。 グルッと振り返った若侍は、 「拙者のことで?」と隙かして見た。黒頭巾で顔を包んでい、黒の衣装を纏っている。いわゆる黒鴨|出立ちであった。体のこ....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
の鯉口を握り、右手で柄を握りしめ眼前に刀を上段にかぶり、刀身を月光にひらめかし、黒頭巾の中から白々と、左の一眼を繃帯した、白い布を気味悪くのぞかせて、開いている....
五右衛門と新左」より 著者:国枝史郎
ると、細川幽斎と新左衛門との間に、見慣れない人間が坐わっていた。 黒小袖を着、黒頭巾を冠り、伊賀袴を穿き、草鞋ををつけた、身真黒の人間であった。いつ来たものと....
木彫ウソを作った時」より 著者:高村光太郎
とかぶさる。背中の蓑毛と胸の羽毛の下からこの風切りが、もう一度あざやかな黒色で、黒頭巾との呼応をしている。閉じた翼の風切りのさきは左右あまり強く交叉せず、直ぐ下....
迷信解」より 著者:井上円了
とき酒酔いの上に、その辺りに狐狸の出ずるならんかとしきりに左右を見回すうちに、大黒頭巾が両眼を隠せるを知らざりしより起こったのじゃ。かかる話は誤怪と申すものであ....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
などに、誰は誰の傀儡である、誰は誰を操る傀儡子だなどということを言っております。黒頭巾や黒装束に隠れて人形を使っているのが傀儡子、使われているのが傀儡だとのみ思....