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「黙り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

黙りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
河童」より 著者:芥川竜之介
クラバックは細い目をいっそう細め、いまいましそうにラップをにらみつけました。 「黙りたまえ。君などに何がわかる? 僕はロックを知っているのだ。ロックに平身低頭す....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
なりを並べるほかは、慰めようがありません。すると新蔵はなおさらの事、別人のように黙りこんで、さっさと歩みを早めたそうですが、その内にまた与兵衛鮨の旗の出ている下....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
った。それは人をばかにした仕打ちとも思えば思われない事はなかった。二人は気まずく黙りこくってしまった。私は所在なさに黙ったまま絵をながめつづけていた。 「そいつ....
親子」より 著者:有島武郎
っていた。 監督を先頭に、父から彼、彼から小作人たちが一列になって、鉄道線路を黙りながら歩いてゆくのだったが、横幅のかった丈けの低い父の歩みが存外しっかりして....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
(一) 長い影を地にひいて、痩馬《やせうま》の手綱《たづな》を取りながら、彼《か》れは黙りこくって歩いた。大きな汚い風呂敷包と一緒に、章魚《たこ》のように頭ばかり大き....
ドモ又の死」より 著者:有島武郎
いたんだが…… とも子 ごめんなさいよ。私、はじめてここに来た時、あなたなんて、黙りこくって醜男な人、いるんだかいないんだかわからなかったんですけど、だんだん、....
」より 著者:池谷信三郎
噤んでしまうのです。一時間でも二時間でも、まるで彼女は、鍵のかかった抽斗のように黙りこんでいるのです。 問。そんな時、被告はどんな態度をとるのか? 答。黙って爪....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
出た。 五 「ごめんなさい。」 返事を、引込めた舌の尖で丸めて、黙りのまま、若い女房が、すぐ店へ出ると……文金の高島田、銀の平打、高彫の菊簪。十....
黒百合」より 著者:泉鏡花
あ御覧じろ、人ごみの中でもそんなに足を蹈つけられはしねえもんだ。」 「ちょいとお黙り。高慢なことをお言いでない、お嬢様がいらっしゃるよ。」 「ですからさ、そっち....
化鳥」より 著者:泉鏡花
る鳥さしにとられたけれど、囀ってましたもの。ものをいっていましたもの。おじさんは黙りで、傍に見ていた私までものを言うことが出来なかったんだもの。何もくらべっこし....
註文帳」より 著者:泉鏡花
か、トントントンさ、誰方だと聞きゃあ黙然で、蒲団を引被るとトントンだ、誰方だね、黙りか、またトンか、びッくりか、トンと来るか。とうとう戸外から廻ってお隣で御迷惑....
南地心中」より 著者:泉鏡花
え込んでおしまいなすって、何かお話しするのもお気の毒なような御様子ですから、私も黙りでね。ええ、……時間の都合で、そちらへは廻らないまでも、網島の見当は御案内を....
星女郎」より 著者:泉鏡花
ったら、手数は掛けないでも洗ったものを、と思いながら思ったように口へは出ないで、黙りで、恐入ったんですが、柔く絹が搦んで、水色に足の透いた処は、玉を踏んで洗うよ....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
て来る方が手取早い。……膳の来るにも間があろう。そう思ったので帽子も被らないで、黙りで、ふいと出た。 直き町の角の煙草屋も見たし、絵葉がき屋も覗いたが、どうも....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
だ。一所に連れて行く事は出来ないのだ。 晃 いや、この百合は俺の家内だ。 嘉伝次黙りなさい。村のものじゃわい。 晃 どこのものでも差支えん、百合は来たいから一所....