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黙る
「黙る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
黙るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「百合」より 著者:芥川竜之介
う。わしはさっきさんざさわったよう。」
「さっきさんざさわった」となれば、良平も
黙るよりほかはなかった。金三はそこへしゃがんだまま、前よりも手荒《てあら》に百合....
「入れ札」より 著者:菊池寛
なってりゃ、俺たちとは朋輩だ。あんまり昔のことを振回しなさんなよ。 (九郎助、
黙る) 弥助 だが浅太郎、お前はな、いくら親分の気受けがいいからといって、あ....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
いでもよいのを。 千寿 ほんに、楽屋に死にに来ないでも。(ふと、藤十郎の顔を見て
黙る)……。 弥五七 こんな不吉なことが、世間に知れると、せっかく湧き立った狂言....
「義民甚兵衛」より 著者:菊池寛
おきん ええ、この不孝者めが! 刑吏一 騒がしい。控え! おきん (恨めしそうに
黙る) 刑吏の長 甚兵衛! その方はなんぞ遺言はないか。 甚兵衛 (微笑しながら....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
持十二さ。」 「何だ二人でか、まさか、そんな竹如意、髑髏の亜流のごとき……」 「
黙るよ、私は。失礼な、素人を馬鹿な、誰が失礼を。」 「はやまった、言のはずみだ、....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
が舌打して言った。 これが代官様より可恐しく婆の耳には響いたので、目を※って押
黙る。 その時、花屋の奥で、凜として澄んで、うら悲しく、 雲横秦嶺家何在 雪擁....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
紅が透いた時、わっと小児が泣いたので、 「おお。」 と云って添臥したが、二人も
黙る内、すやすやとまた寝入った。 「ねえ、貴郎、そうして、小松原さんのおっしゃる....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
、境は草の上へ投膝で腰を落して、雲が日和下駄穿いた大山伏を、足の爪尖から見上げて
黙る。 「別に、お怪我は?」 手を出して寄って来たが、腰でも抱こう様子に見えた....
「華々しき瞬間」より 著者:久坂葉子
わかっててよ」 「どうだっていいさ、理窟のこね合いはよしにしよう」 蓬莱建介は
黙るより他はない。 「人間って、割切れないものを割切ろうとする。へんね」 南原....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
いでしょう?」 「しかし光のない暗もあるでしょう」 「光のない暗とは?」 僕は
黙るより外はなかった。彼もまた僕のように暗の中を歩いていた。が、暗のある以上は光....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
頃はようござんしたねえ、二十年前は。……来栖勘兵衛、有賀又兵衛といやア、泣く児も
黙る浪人組の頭、あっしゃア、そのお頭の配下だったんですからねえ。……徒党を組んで....
「乳を刺す」より 著者:邦枝完二
お奉行所へしょっ引いて行って、砂をかましてやるから覚悟しろ。お奉行様は、泣く子も
黙る遠山|左衛門尉様だ。ひとたまりもあるもんじゃねえ。――おお旦那、野郎の部屋に....
「飢餓地帯を歩く」より 著者:下村千秋
ことが出来なければ、美しい自然も風景もあったものではないのだ。――私は、ここでも
黙るより外はなかったのである。 ところで私は、この青年の言おうとしていることを....
「城」より 著者:カフカフランツ
さんのところにいるのよ! 測量技師さんのところにいるのよ!」
それで、クラムは
黙るには黙った。しかし、Kは身を起こし、フリーダのわきにひざまずくと、薄暗い夜明....
「泣きんぼうの話」より 著者:小川未明
の真ん中へつれていって降ろしました。 「さあ、ここでうんと泣くんだ。そうしたら、
黙るだろう。」と、男はたった独り、子供を野原の真ん中に残して、自分は、自転車に乗....