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「黙念〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

黙念の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
若者たちを見廻した。が、大勢の若者たちは麗《うら》らかな日の光を浴びて、いずれも黙念《もくねん》と眼を伏せながら、一人も彼の醜い顔を仰ぎ見ようとするものはなかっ....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
を引いていろとご命令があった以上は、それに服するよりしかたがねえさ」 いうと、黙念としながら腕をくんで、ややしばしうち沈んでいたようでしたが、ふと見ると、右門....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
! ほとんど今までこれほどしんけんに考え沈んだことはあるまいと思われるほどに、黙念と長い間沈吟しつづけていましたが、突如! ――ずばりとさえた声が飛んでいきま....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
って、いやに兄分風を吹かしているのを、右門はくすくすと笑いわらい聞き流しながら、黙念としてしたくの整うのを待ちました。 4 やがてのことに、まず舞台....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
おちついているので、だからすぐにもきき尋ねるだろうと思われたのに、しかし、名人は黙念としてまず鋭い一瞥《いちべつ》を与えました。のちの赤穂《あこう》浪士快挙に男....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
かしい光明を認めながら、ご苦労ともきのどくだったともなんともいわずに、例のごとく黙念としながら、ぷいと表へ出ていくと、即座に伝六に命じました。 「きさま、これか....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
その三人の姿の上へ、そして四郎五郎左衛門のむくろの上へ、そしてお感慨深げに、黙念と馬上から見守っていられる宰相伊豆守のおしのび姿の上へ、馬首を並べてご警固申....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
圧倒されてしまったように思われた。そして、血の気の失せた顔を硬張らせて、しばらく黙念に耽っていたが、やがて立ち上ると、悲壮な決意を泛べて云った。 「よろしい。貴....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
――」 言いよどみ言いそそくれて一句一句に額より汗を流せる山木が顔うちまもりて黙念と聞きいたる主人中将は、この時|右手をあげ、 「よろしい。わかいました。つま....
煩悩秘文書」より 著者:林不忘
ているわけ。 お社の、格子づくりの扉をぴったり閉じ、奉納の絵馬の一つふたつ――黙念として春風秋雨の七年間、この今朝の三人の会合を待っていたかのように。 約束....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
取ってやろう」 で、庭から忍び出た。 徳大寺卿は知る由もない。亭に腰をかけて黙念としている。 と、二つの人影が、植え込みをくぐって現われて来た。 一人は....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
言っても、いっこう憎体《にくてい》にならないのが不思議。うつむいて、石仏のように黙念としているのを、しり目にかけながら、 「キザなことを言うようですが、このへん....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
になるかも知れないぞ。ひとつ、とっつかまえて、口説《くど》くか」 ひょろ松は、黙念。 朽穴《くちあな》 菩提寺で年忌をすませると、ひょろ松はその足で柏....
墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
たかと覚えている。青山斎場で行われた葬式には、柳田家の懇請で私も親族席に立った。黙念として唇を噛んでいる、父親の総裁柳田篤二郎氏の姿も侘しかったが、嗚咽しながら....
教育家の教育」より 著者:新渡戸稲造
食事ごとにお膳の上に置き、御飯粒を三粒なり四粒なり取って百姓の笠の上に載せて暫く黙念する、この御飯は百姓の作ったのである。粒々皆辛苦、実にこれは勿体ないものであ....