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「黠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

黠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
の傍に、長くじっとしていられなかった。自分を信用させようと骨を折っている、男の狡《わるごす》い態度も蔑視《さげす》まれたが、この男ばかりを信じているらしい、母....
十二支考」より 著者:南方熊楠
罪重ければ死を何とも思わぬ菩薩の頭をくれぬかと要せられ、さすがの一切智人も婦女の計《かっけい》に先を制せられて遁《のが》れ得ず、いたずらに我が身終らば汝の父も....
十二支考」より 著者:南方熊楠
てすこぶる迅《はや》く走りその毛色が住所の土や草の色と至って紛らわしき上に至って《ずる》く、細心して観察した人の説にその狡智狐に駕《が》すという。例せば兎|能....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
は、一本の竹を吹き方によっていろいろと鳴き分けられるという便利なもので、だが、奸《かんきつ》な小田切久之進がことば巧みにその名笛を巻きあげて、まんまとそれを自....
運命」より 著者:幸田露伴
かず、死して万物自然の数理に安んぜんとす。従容として逼らず、晏如として※、辺土の豪等、或は虚に乗じて事を挙ぐるあらば、星火も延焼して、燎原の勢を成すに至らんこ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
信念を増し進めた事疑いなし、梵名マカラ、内典に摩竭魚と訳す、その餌を捉《と》るに智《かつち》神のごとき故アフリカや太平洋諸島で殊に崇拝し、熊野の古老は夷神はそ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
を穿ち水浸りとなる、船中の輩急いで汲み出せども及ばず、上帝これを救わんとて、蛇に智《かっち》を授けたから、『聖書』に蛇のごとく慧《さと》しといったのじゃ。ここ....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
火事は然程《さほど》に早く吾《わ》が廂《ひさし》へ来るものでは無い、と考えて、狡《こうかつ》には相違無いが、他人|交際《づきあい》の間柄ではあり、戦乱の世の常....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
と思うんだ」 「そうか」 と折竹は暫く黙っていた。あれ以来、ますます人相にも奸の度を加えてきた、セルカークを憫むようにながめている。ただ、氷河の氷擦が静寂を....
微笑」より 著者:豊島与志雄
それがうまくいったら世の中の有様ががらりと変ってしまいそうに思えた。陰険だとか奸だとかいう言葉は不用になって、至る所バッカスのお祭りだ。 私は次の火曜を待ち....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
棘《いばら》のうちに銃眼をあけていた。その砲兵は茂みの下に潜められていた。その奸《かんかつ》なる工事は、もとよりいかなる係蹄《わな》をも許す戦争ではとがむべき....
地虫」より 著者:小栗虫太郎
したらどうだろうか。三伝が生きて――もしそうだとしたら、たぶんあるにちがいない奸な綾のなかに、船場の遺書も自分の苦悶も、みな筋書のようにして織り込まれているの....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
はっとする。疲れ切っていた心身も急に緊張してはずみだす。 ラサリーリョ少年が奸な座頭の手引きとなって連れて行かれる途中で、橋飾りの牡牛の石像に耳をつけて聞け....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
人工であるということが発見された。そこでこういうものをもって人を欺いて金を取る奸な手段がこの仏教の盛んなチベット国において行われて居るというのは実に奇態である....
それから」より 著者:夏目漱石
は外ならなかった。彼は普通自分の動機や行為を、よく吟味してみて、そのあまりに、狡《ずる》くって、不真面目で、大抵は虚偽を含んでいるのを知っているから、遂に熱誠....