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鼈甲色
「鼈甲色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鼈甲色の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「女体」より 著者:芥川竜之介
に青い影を湛《たた》えているだけである。まして光をうけている部分は、融けるような
鼈甲色《べっこういろ》の光沢を帯びて、どこの山脈にも見られない、美しい弓なりの曲....
「夏目漱石先生の追憶」より 著者:寺田寅彦
ともあった。時代をつけると言ってしょっちゅう頬や鼻へこすりつけるので脂が滲透して
鼈甲色になっていた。書斎の壁にはなんとかいう黄檗の坊さんの書の半折が掛けてあり、....
「草藪」より 著者:鷹野つぎ
働らきはじめていた。 斯うしていつしか新秋を迎える頃となった。テレスには篠懸の
鼈甲色の美しい落葉が、時々カサと音して散りおちた。草藪にも涼しい虫の音が湧きはじ....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
こがなかなかむずかしいので、上手に酒を加えると油と砂糖が互《たがい》に溶け合って
鼈甲色《べっこういろ》に透通ったものが出来る。それを長崎で色付油《いろつけあぶら....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
が釣れたらば生きたまま直《す》ぐにその中へ入れるのです。その汁が浸《し》みて鮎が
鼈甲色《べっこういろ》になりますからそれを炙焼《あぶりやき》に致しますとどんなに....
「童子」より 著者:室生犀星
かんじの違った柔らかい、いくらか手頼りのない乳母のちち首を口にふくんだ。私は悪い
鼈甲色をした乳母の胸肌を、いい気もちで見られなかった。 「おいチいでしょう。ほら....