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鼠壁
「鼠壁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鼠壁の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
長火鉢は隅の方に押しやられて、その傍には古びた箪笥が置いてあった。それにつづいた
鼠壁には、どこからかの貰いものらしい二、三本の団扇が袋に入れたままで逆さに懸かっ....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
して見られていた。 二十五年前には今の日比谷の公園の片隅に、昔の大名の長屋の海
鼠壁や二の字窓が未だ残っていた。今の学者町たる本郷西片町は開けたばかりで広い/\....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
付くる」という御沙汰になりました。この評定所と申しますのは、竜の口の壕に沿うて海
鼠壁になって居る処でございますが、普通のお屋敷と格別の違いはありませぬ。これは天....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
れていて、戸外を覗いている人の顔など、一つとして見えてはいなかった。で、左右を海
鼠壁によって、高く仕切られているこの往来には、真珠色の春の夜の靄と、それを淹して....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
いどういう女なのだろう!」
左側は十五万石榊原式部大輔、そのお方のお屋敷で、海
鼠壁が長く延びている。その海
鼠壁をぬきんでて、お庭の植え込みが繁ってい、右側は普....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
の幟《のぼり》が幾筋となく閃《ひらめ》いている様が描かれている。この図中に見る海
鼠壁《なまこかべ》の長屋と朱塗《しゅぬり》の御守殿門《ごしゅでんもん》とは去年の....
「深川の唄」より 著者:永井荷風
台をば、遺憾なく思い返させた。あの貸舟、格子戸づくり、忍返し……。 折もよく海
鼠壁《なまこかべ》の芝居小屋を過ぎる。しかるに車掌が何事ぞ、 「スントミ町。」と....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
も何一ツこまごました物も載せられていないので、二階中はいかにもがらんとして古畳と
鼠壁《ねずみかべ》のよごれが一際《ひときわ》目に立つばかり。座布団《ざぶとん》も....