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鼠賊
「鼠賊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鼠賊の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
明瞭でないのは不都合である。周密なる観察から得た材料を綜合《そうごう》して見ると
鼠賊《そぞく》の逸出《いっしゅつ》するのには三つの行路がある。彼れらがもしどぶ鼠....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
衣の袖下かいくぐって逃げ込んだのを、この二つのまなこでとくと見たのじゃ。膝元荒す
鼠賊風情を要らぬ匿い立て致さば、当山御|貫主に対しても申し訳なかろうぞ」 「黙ら....
「爆弾太平記」より 著者:夢野久作
る事を、夢にも知らなかった吾輩はアタマから呑んでかかったものだ。……懲り性もない
鼠賊ども……俺が居るのを知らないか。来るなら来い。タッタ一ヒネリだぞ……というの....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
れたのである。 「やあ方々何事でござる!」こう叫んだのは集五郎である。 「相手は
鼠賊、たかが七、八人、討ち取るに手間隙は入らぬ筈、逃げ込むなどとは沙汰の限り、引....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
ろには小普請組支配頭|青山備前守《あおやまびぜんのかみ》というものがついていて、
鼠賊《そぞく》をひっとらえるのとはこと違い、源十郎を法網にかけるためには一応前も....
「南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
返せ、さあ渡せ!」呶鳴ったは親方の桐兵衛である。 嘲笑ったは銅兵衛で、「黙れ!
鼠賊! 何を云うか! 民弥殿は我らが守護いたす、金輪際汝らに渡すことではない、取....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
して、その人に依っては、自分の破滅だけではない、島津の破滅の因になるかもしれぬ。
鼠賊だと、侮ったのが不覚であった。相当心得のある忍び者であろうか?――それにして....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
にかかわらず世間の抜け目ばかり窺っているゴマの灰とか、人買とかいう、道中荒らしの
鼠賊か。さもなければ、剽悍なるこの地方の野武士か。 武蔵としては、そんなふうに....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
織を庇いながら、瞬間、眼をとじて、一命を天意にまかせてしまい、さて、いった。 「
鼠賊ども! 謀ったなっ」 すると何処かで―― 「だまれっ、旅の者」 と、太い....
「三国志」より 著者:吉川英治
将軍、なんで無言のままこの混乱を見ているんですか。時は今ですぞ、宮廷の癌、社稷の
鼠賊ども、十常侍の輩を一匹残らず殺してしまわなければいけません。この機を逸したら....
「三国志」より 著者:吉川英治
すのは一歩の前進になると考えるので、命を奉じた。 彼の精兵は、たちまち、地方の
鼠賊を掃滅してしまった。朝廷は、彼の功を嘉し、新たに、「鎮東将軍」に叙した。 ....
「三国志」より 著者:吉川英治
ろ曹操。天子のみことのりを私して、みだりに朝威をかさに振舞うもの、すなわち廟堂の
鼠賊、天下のゆるさざる逆臣である。われ、いやしくも、遠祖|累代、漢室第一の直臣た....
「三国志」より 著者:吉川英治
と呂蒙は、やにわに杯をなげうって、孫権をはったと睨めつけ、 「碧眼の小児、紫髯の
鼠賊、思いあがるを止めよ」 と大喝して、なお何か罵りだした。 満座の人々は総....
「三国志」より 著者:吉川英治
て、 「逃げ上手め。そこを去るな」 「逃げるのではない。我は漢の名将、汝は逆門の
鼠賊。刃の穢れを辱じるのだ」 「うぬ。その吠面にベソ掻くな」 遂に彼は司馬懿の....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
をやる。まして貧しい山村のことだ、日ごろ蓄備の食糧がおいてある倉院などは、ゆらい
鼠賊が常にねらい寄る所だともいう。……折ふし、お座所に近い板屋の納屋には、きのう....