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「鼻音〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鼻音の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玩具」より 著者:太宰治
知っている。たまには、四五匹の青大将が畳のうえを這《は》いまわる。おとなたちは、鼻音をたてて眠っているので、この光景を知らない。鼠や青大将が寝床のなかにまではい....
彼は昔の彼ならず」より 著者:太宰治
。蒼白痩削《そうはくそうさく》。短躯猪首《たんくいくび》。台詞《せりふ》がかった鼻音声。 酒が相当にまわって来たころ、僕は青扇にたずねたのである。 「あなたは....
国語音韻の変遷」より 著者:橋本進吉
、このeとyeとを同じ文字で書いたことは、東京語における語頭のガ行音と語頭以外の鼻音のガ行音とを文字に書きわけないのによっても理解することが出来る。かようなわけ....
道標」より 著者:宮本百合子
れで、ぶこ、何て返事したんだ」 「返事はしないわ――来週」 ふん、という素子の鼻音が、伸子の耳にかすかにききとれた。 「どうせ、そんなこったろうと思った」 ....
旅愁」より 著者:横光利一
矢代はサシャ・ギトリの戯曲の会話をアンリエットに随って、自分も読みすすんだ。やや鼻音を帯びたうるんだ肉声で流れるように読むアンリエットは、渦巻く髪をときどき後ろ....
自由画稿」より 著者:寺田寅彦
て口の上に陣取って食物の検査役をつとめる鼻までも徴発して言語係を兼務させいわゆる鼻音《ネーザル》の役を受け持たせているのである。造化の設計の巧妙さはこんなところ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ンブールのぐるりには中国の留学生が多くて、あの人々のフランス語は自分の国の喉音や鼻音と共通なところがあるせいか、きわめて自在です。互に自分のことばで話さないのよ....
貞操問答」より 著者:菊池寛
りです。」といい切った。 初めは、美和子かと思ったほど浮々と上機嫌で、ジャズを鼻音で唄いながら、二階へ上って来た姉が、いきなり新子の部屋に、ニコニコした顔を見....