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齧る
「齧る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
齧るの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夢鬼」より 著者:蘭郁二郎
あたしなの、いそがしいわ」 「いそいで、いそいで」 葉子は周章てお煎餅を一口|
齧ると、衣裳部屋を飛出して行った。 恰度、通り合せた黒吉は、ちらりとそれを見る....
「鼠と鳩麦」より 著者:宮本百合子
の小舟のような軽い粒々をあたり一面に散ってカサコソと鳴るのである。 鼠がものを
齧る音は聴くのはいやだ。ずっと先、上落合の方の家にたった一人で暮していたときは、....
「博物誌」より 著者:岸田国士
みたり、ほんのちょっと線を引いてみたり、少しずつ、ちびちびと、ちょうど彼がものを
齧るのとおんなじ調子で書いて行く。 La Belette 貧乏な、しかし、さっ....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
らあ」
「そうかい」
「何う変えるか、代は、見てのお戻りってんだが、休公の、鼻を
齧るのだけは、変えねえ――じゃ、いよいよ、これが、ぎりぎりけっちゃくの、さよなら....
「秋深き」より 著者:織田作之助
雨戸は明けはなたれていて、部屋のなかが急に軽い。山の朝の空気だ。それをがつがつと
齧ると、ほんとうに胸が清々した。ほっとしたが、同時に夜が心配になりだした。夜にな....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
井戸端のまわりには、青梅の実がこぼれている。伊織は、それを見るとすぐ、塩をつけて
齧る味を思った。そして、あれを拾って浸けこんでおけば、一年中梅干に困らないのに、....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
うろつき、りんご一袋、山栗一袋、買いこむ。 汽車の窓でこの山栗を剥いてポツポツ
齧る。連れの諸子にも、仲よく分け合う。星野通信局長、若松からわざわざ迎えにお見え....