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「庇の〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

庇のの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
疑惑」より 著者:芥川竜之介
中のまま、どこからともなく寄せて来る大震動の波に揺られて居りましたが、やっとその庇の下から土煙の中へ這い出して見ますと、目の前にあるのは私の家の屋根で、しかも瓦....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
を食ってしまって、半七は楊枝をつかいながら縁先に出ると、狭い路地のかさなり合った庇のあいだから、海のような碧い大空が不規則に劃られて見えた。月はその空の上にかか....
海異記」より 著者:泉鏡花
と何か動いてけつから。」 「えッ、何さ、何さ、三ちゃん、」と忙しく聞いて、女房は庇の陰。 日向の奴も、暮れかかる秋の日の黄ばんだ中に、薄黒くもなんぬるよ。 「....
隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
んにも考えずに、背戸の竹山の雨の暗がりを走って隣へいってしまった。 湯は竈屋の庇の下で背戸の出口に据えてある。あたりまっ暗ではあれど、勝手知ってる家だから、足....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
面影の型の違った美青年だった。蒸気の陽気に暑がって阿弥陀冠りに抜き上げた帽子の高庇の下から、青年の丸い広い額が現われ出すと、むす子に似た高い顎骨も、やや削げた頬....
単独行」より 著者:加藤文太郎
げ出されてぞっとした。僅か二メートルぐらいのものであったがひどくこたえた。早速雪庇の下を掘って入る。 僕はこんどのスキー行は三月も終りに近いことだから大して雪....
菜の花」より 著者:小島烏水
味に於てよりも、人間と人間との間に踏み固められない、柔かい黒い土を割り込ませて、庇の連続や、肱の突き合いを緩和させるという点だけで、保存して置きたく思う、そうい....
谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
行する草原の青波を、喰い留めながら、崖の縁をかがっている、その白樺を押し分けて、庇のように突き出た岩壁に縋る、櫓のように大きな一枚岩で、浦島ツツジが、べったりと....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
瀟洒たる人物がある。 黒の洋服で雪のような胸、手首、勿論靴で、どういう好みか目庇のつッと出た、鉄道の局員が被るような形なのを、前さがりに頂いた。これにてらてら....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
さに凍てたか、いぼが蒼い。 二 涼しい瞳を動かしたが、中折の帽の庇の下から透して見た趣で、 「あれをちっとばかりくれないか。」と言ってまた面を背....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
が、そうでないことはすぐに判った。深田君をおどろかした女はやはり二十歳ぐらいで、庇の大きい束髪に結っていたが、そのなまめかしい風俗がどうも堅気の人間とは受け取れ....
街頭」より 著者:岡本かの子
郊外の人もある。人形が人間らしく動く飾物を見ようとするのだ。 百貨店の大きな出庇の亀甲形の裏から金色の光線が頸の骨を叩き付けるほど浴せかける。右から左から赤や....
真珠塔の秘密」より 著者:甲賀三郎
模造品を造ります際に数の都合上どうしても、疵のあるのを一つ使わねばならないので、庇の蔭に眼のつかない所へ嵌めたのです」 「全く。私もその疵のある真珠の事を云われ....
世間師」より 著者:小栗風葉
の糧に屈托しているのだろう。船虫が石垣の間を出たり入ったりしている。 河岸倉の庇の下に屋台店が出ている。竹輪に浅蜊貝といったような物を種にして、大阪風の切鮨を....
はつ恋」より 著者:神西清
しに眼をそそぎ、軽くほほえんだなり、またもや眼を本へ落してしまった。 わたしは庇のついた帽子を脱いで、しばらくその場で迷っていたが、やがて重い物思いに沈みなが....