» 火取

「火取〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

火取の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
賃――そのほかありとあらゆる生活費が、過去の苦しい経験と一しょに、恰《あたか》も火取虫の火に集るごとく、お君さんの小さな胸の中に、四方八方から群《むらが》って来....
誘惑」より 著者:芥川竜之介
を一つ出して見せる。 63 船長の手の上に載った髑髏。髑髏の目からは火取虫《ひとりむし》が一つひらひらと空中へ昇って行《ゆ》く。それから又三つ、二つ....
」より 著者:芥川竜之介
と、どの宿もわたしには気に入らなかった。のみならずやっと落ちついた宿も夜は大きい火取虫が何匹もひらひら舞いこんだりした。わたしはさんざん苦しんだ揚句《あげく》、....
活人形」より 著者:泉鏡花
てお藤を縛り附け、座敷の真中にずるずると、髷を掴んで引出し、押しつけぬ。形怪しき火取虫いと大きやかなるが、今ほど此室に翔り来て、赫々たる洋燈の周囲を、飛び廻り、....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
蝋燭の香を、芬と酔爛れた、ここへ、その脳へ差込まれましたために、ふと好事な心が、火取虫といった形で、熱く羽ばたきをしたのでございます。 内には柔しい女房もござ....
南地心中」より 著者:泉鏡花
。 丸官は掌を握った。 多一の声は凜々として、 「しもにんにんの宝の中に――火取る玉、水取る玉……イヤア、」 と一つ掛けた声が、たちまち切なそうに掠れた時....
四次元漂流」より 著者:海野十三
てよ。ああ、救われる。貴重な薬が今こそ作られるのだ」 雪子学士の幽霊は、まるで火取虫のようにブンゼン灯のまわりをぐるぐると踊りまわって喜ぶのであった。 ....
富士」より 著者:岡本かの子
、また氷火相闘つ矛盾の性に承《う》け応えられるものがあったろう。彼等のあるものは火取り虫のように却って羽を焼かれ、あるものは虫入り水晶の虫のように晶結させられて....
異妖編」より 著者:岡本綺堂
明るくなった。そうして、向きを変えてこっちへ舞いもどって来たかと思うと、あたかも火取り虫が火にむかってくるように、女房の持っている提灯を目がけて一直線に飛んで来....
つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
もなくこの芝居の序幕も、どうやら自然と終りに近づいて来たような気がして来る……。火取虫《ひとりむし》が礫《つぶて》のように顔を掠《かす》めて飛去ったのに驚かされ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
》んでいると、夜中にフイと行燈《あんどん》の火が消えた。 「や、油が尽きたかな、火取虫めのいたずらか」 ようやく附木《つけぎ》の火はついた。室には何の変ったこ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
に応じて来る女も女だ。愚かなのは人間のみではありません、虫のうちの最も愚かなのを火取虫と申します。気になるのはこの女の携えている提灯の、後になり先になり二羽の蝶....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
されます。火を見てはやる馬は、暗い方へは逃げずして、明るい方へ進みたがることは、火取虫と同じです。そうして、その明るい方の危険なることを知らざることも、また、火....
つぼみ」より 著者:宮本百合子
しなして笑い出す ほんに笑止じゃないかいナ つまたてて ソッとのぞいた猿芝居……火取虫 ブーンととんで来るきまぐれものよ 御前の名前は何と云う 丸いからだで短い....
日記」より 著者:宮本百合子
ような過ぎて行く時のかことをおさえてとめて置きたいように思われる。 ねしなに「火取虫」を書いた。「花月雙紙」の序文を習字のつもりで書いた。今日は何にも変った事....