» 色褪せ

「色褪せ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

色褪せの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
麻雀殺人事件」より 著者:海野十三
ます。ところでその内の一枚は、他の三枚にくらべて彫刻に塗りこんである絵具が莫迦に色褪せています。一体、牌に水がかかると少し色がはげますが、よくこの牌を見ると、は....
流線間諜」より 著者:海野十三
十数名の黒衣の人物は一せいに起立した。「赤毛のゴリラ」の顔は見る見る土のように色褪せていった。ああ生命は風前の灯である。 「宣告、――君は『狐の巣』の監督を怠....
鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
で豪華な姿を見せて居たのが、今は素立ちのたった一羽、梅花を渡るうすら冷たい夕風に色褪せた丹頂の毛をそよがせ蒼冥として昏れる前面の山々を淋しげに見上げて居る。私は....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
もともとリアルな根の無い、年少のすさびはそうした境遇の変化によって、いつしか色褪せて、別の生活の波にさらわれてしまったのであった。 寧ろ今日になって昔を追....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
三人は事務室へ這入った。そこも燐や、硫黄や、塩酸加里などの影響を受けて、すべてが色褪せ、机の板は、もく目ともく目の間が腐蝕し、灰色に黝ずんでいた。 三円で払下....
外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
てられたものだと特にそれを選ぶのであった。 ペテルブルグの灰いろの空がまったく色褪せて、すべての役人連中が貰っている給料なり、めいめいの嗜好なりに従って、分相....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
それは人間の声らしい生気ある響をすっかり失っているので、かつては美しかった色彩が色褪せて見る影もない薄ぎたない汚染になってしまったような感じを与えるのであった。....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
古く粗雑に幸福な影絵の国ほるつがる。 お前は「欧羅巴のKOREA」だ。絢爛の色褪せた絵画織物だ。Poogh ! |大地のおわるところ |大海の始まるところ ....
落日の光景」より 著者:外村繁
私は病院の正門を入り、沈丁花の植込の方へ行ってみる。沈丁花の花弁の紫色はすっかり色褪せてしまっている。盛りを過ぎた花の香りは極めて儚い。 妻の病室に入ると、妻....
あめんちあ」より 著者:富ノ沢麟太郎
寸分変りない、あの蒼白い顔色の小娘が佇《たたず》んでいた。そうして不潔ではないが色褪せた花形模様の着物を着ている彼女は、いまは泣き止んでいるその小児を抱いていた....
或る男の手記」より 著者:豊島与志雄
。」 乾ききった唇を少し歪め加減にくいしばって、彼女はじっと私の方を見つめた。色褪せた菊の花の影から、先の尖った大きな鼈甲の簪が細かく震えているのが、しきりに....
子を奪う」より 著者:豊島与志雄
すっと掠めていた。高い鼻筋と細い眉とが、淋しいほど清らかだった。乾いた薄い唇が、色褪せてきっと結ばれていた。彼はそういう顔を、今初めて見るかのようにじっと見つめ....
情意の干満」より 著者:豊島与志雄
びも束の間、おう何と小さく杳かに頼りなげに、君は淡く薄らいでいくことか。思い出は色褪せ、予感はかすみ、君の色香は空焚きの香の薫りにも如かない。君の存在が私にとっ....
田園の幻」より 著者:豊島与志雄
しい。闇夜の太鼓の怪しい遠音は再び蘇らないでも宜しい。投網の夜打ちの清爽な感覚は色褪せても宜しい。然し、そういう自然の雰囲気に対して、人間は如何に卑小であったこ....
一つの愛情」より 著者:豊島与志雄
の透明な純な愛情だった。時によっては彼の心を苛立たせることもあったが、今は、多少色褪せた静かな忘れ得られぬ花である。....