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饑え
「饑え〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
饑えの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「褐色の求道」より 著者:岡本かの子
壮麗なもの――つまり異常なものの見物には刺激されなくなっていた。つつましい平凡に
饑えていた。それ等の理由で、思わず私は二度目の足を此の町に運んだのであった。春も....
「鮨」より 著者:岡本かの子
と、何か身が穢れるような気がした。空気のような喰べものは無いかと思う。腹が減ると
饑えは充分感じるのだが、うっかり喰べる気はしなかった。床の間の冷たく透き通った水....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
を取りに行く僧も、薬石と名づけられる夕飯を取り囲んで箸を上げ下げしている衆僧も、
饑え渇ける異形のものとしか見えなかった。彼は独居の部屋に閉じ籠り、頭を抱えて身悶....
「鯉魚」より 著者:岡本かの子
かし、旅支度さえ充分でない上にすぐと悪漢達に追いかけられたりして、姫は全く不安と
饑えとで、疲れ果ててしまったのでした。 姫は言い終ってさめざめと泣きました。 ....
「子をつれて」より 著者:葛西善蔵
ではない、大した欲望を抱いて居るのではない、月に三十五円もあれば自分等家族五人が
饑えずに暮して行けるのである。たったこれだけの金を器用に儲けれないという自分の低....
「フランダースの犬」より 著者:菊池寛
てて鞭をならすのでした。 くわッと照りつける太陽に、焼けるように熱くなった道。
饑え切ってきりきりいたむ腹、かわき切ってひりひりいたむ喉、目は砂ぼこりでかすみ、....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
は東海道、九州、奥羽に、連発した旱や大暴風雨や洪水、数万の人民はそれがために死に
饑え苦しみ流離したが、そういう場合に施米をしたり、人心を鼓舞したり富豪を説いたり....
「開運の鼓」より 著者:国枝史郎
頷きながら穏かな声でこう云った。 「私は欲しゅうはござりませぬ。そこに仆れている
饑えた人にそれを差し上げてくださいまし」 見ればなるほど往来の上に子を負った女....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
がらも隙間があって、そこから光が洩れていたのでさては地上へ出られようも知れずと、
饑えと、乾きと疲労とで、弱っているにも拘らず夢中で土を掘ったのであった。果然平石....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
惑、不安、不信、動揺、そうして議論の季節であった。 教団の周囲の荒野では、餌に
饑えた獣たちが吠えていた。 狼たちは群をなし、熊は妻と子供とを連れ、猪はいつも....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
お願いなさいませ」 「うん後生か。それもよかろう。が、どうして食って行くな」 「
饑え死のうではございませんか」 「死ぬには早い。俺はイヤだ」 「妾は死にそうでご....
「連環記」より 著者:幸田露伴
気の毒な、従って下らないものに見ていたと思われる。まして定基の妻からは、それこそ
饑えたる者が人の美饌を享くるを見る感がしたろうことは自然であって、余計にもしゃく....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
もう死んじゃって、あの世にいらあ。だがその前二年ってものは、馬鹿めが! あいつは
饑えていやがったんだよ。奴は乞食をする、盗みはやる、人殺しをやる、おまけに飢死と....
「朝飯」より 著者:島崎藤村
は妙なもので、施された人も幸福ではあろうが、施した当人の方は尚更心嬉しい。自分は
饑えた人を捉えて、説法を聞かせたとも気付かなかった。十銭呉れてやった上に、助言も....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
出版したが、それが小冊子にまとめてみた最初の時であった。 実際私が小諸に行って、
饑え渇いた旅人のように山を望んだ朝から、あの白雪の残った遠い山々――浅間、牙歯の....